とりあえずまずこの事件の様なケースについて僕はどんな政治的方法を用いるべきと考えているか書いておきます。まずこれを書いてからじゃないと、その後僕が書こうと思っている非政治的エントリーが政治的に曲解されることが時たまあるので……(長崎の事件の場合の一連のエントリーは政治的だったから別にそういう風に解釈して貰って結構なんだけど">*1)
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今回の事件でマスメディア的に争点になるのは「児童ポルノ規制」と「ミーガン法」だろう。何故なら犯人の家からは
女児の画像を知人に、携帯見せ得意気…小林容疑者＠読売新聞によると
小林容疑者が店に顔を出し始めたのは今夏ごろから。いつも１人、座るとすぐに携帯電話を取り出した。中には１００以上のポルノ動画があり、うち６０以上は幼児を撮影したものだった。らしいし、さらに彼は以前にも強制わいせつや、悪戯しようとして逃げられた為首を絞めた等の前科があり、そしてこの様な人の住所などを出所後も公開するよう迫るのがミーガン法だからである。だから僕もこの二つについて話そう。
まず「児童ポルノ」についてであるが、これはまず「実写児童ポルノ」と「非実写児童ポルノ(*2)」の二つのケースについて考えなければならない。そして、当然のことながら「非実写児童ポルノ」を成年の人間が持っていたと言う事には何の問題も無い。何故なら、まずそのような非実写ポルノがその容疑者を性犯罪するよう仕向けたという証拠が無いと言う事。例え容疑者がその様な非実写ポルノを持っていたとしても、それだけではその性犯罪と非実写ポルノの間に因果関係を認める事は出来ないからである。そして次に、その政策により侵害される市民的自由がとても重大なものであるということ。非実写ポルノの製造は一人で完結する事も出来るし、そして所持ももちろん一人で完結する。このようなプライベートな領域には国家は介入してはいけない。もしその様なプライベートな領域への国家の介入を許せばそれは個人の思想・良心の領域に国が介入することを認める事になり、それは即ち近代自由主義の破壊＆ファシズムへの道だからである。
ちなみに、非実写ポルノの販売・配布については大変社会的な行為であるが為に、社会の人々がどう考えるかが優先されなければならないが、僕の考えとしてはその様な行為に規制を加える事は反対です。何故なら僕は別にその様な行為に嫌悪感を持たないし、それより国家による監視がさらに増大する事が嫌だからです。最も、これはあくまで個人の価値観に属する問題ですから、単純に「こうすべきだ」とは人には言えない問題だとも思います。世の中には国家の監視が増すことを嫌がらず、むしろそれより非実写ポルノの販売・配布に大変嫌悪感を持つ人も存在するのですから、その二つの考えの人の間で何かしら折り合いをつけるのが民主主義でしょう(*3)・・・ただ、例えそういう人が多数派を占めたとしても、非実写ポルノの製造・所有についての規制はは大原則として許されないと思います。
さて、問題は「実写児童ポルノ」の方です。僕はこれについては断固規制すべきだと思っています。ただ、この様なポルノについては僕も以前見つけて警察に通報した時に感じたことなのですが、警察はもうちょっとインターネット関係のポルノに人員を割くべきではないでしょうか？PINKちゃんねるとかを見ていればそういう画像・動画をアップロードしている奴らは簡単に見つかるんですよ。もちろん捕らえたって捕らえたっていたちごっこでどんどん出てくるのですが、しかしだからといって放っておいたらさらに増長するばかりなんですよ。もちろん取り締まりをきつくやっても一部はもっと地下に潜ってやるのですが、しかし大部分は止めるでしう。それをやらないで安易に「ネットの闇」とか言われても「お前らが見ないだけだろ！あんなに日向でやっているのに……」と言いたくなります。
また、P2Pに関してですが、これももうちょっとP2Pソフトの制作者と警察が関係を良好にしていれば、何かしら通報システムとかを作るチャンスがあったのに……と思ってしまいます。どう考えたって著作権侵害よりも児童ポルノ問題の方が重要でしょうが、また、P2Pソフトの作者も著作権については様々な意見があるでしょうが児童ポルノについては殆どの場合「許さない」という意見でしょう。そこで警察とP2Pソフト作者が良好な関係を保つ事が出来れば、児童ポルノを警察に通報するような装置が実装できたかもしれないのにな……とつい悔やんでしまいます。
あとそれから、僕は実写児童ポルノについては厳罰化も視野に入れるべきだと思っています。今の罪ではあまりに軽すぎるでしょう。実写児童ポルノを配布したりするということはつまりただでさえ傷ついている被害者にさらに追い打ちを掛ける行為、心理的な強姦と言っても良いのですから。これが罰金だけで済んだりするというのはやはりおかしいでしょう。また、厳罰化しないとマスコミに報道されず、その結果「あれだけ配布してもマスコミでは殆ど報道されない、ということは捕まる人は少ないんだ」という勘違いをする輩も居る事からも、実写児童ポルノ配布については厳罰化はやはり必要だと思います。さらに、実写児童ポルノの配布というのは比較的軽い気持ちで出来るものですから、その様な犯罪については厳罰化の効果は結構大きいと思います。
単純所有についてはこれは僕の中でも意見が揺れているのですが、「実写児童ポルノの場合のみ賛成」ととりあえずしておきます。やはりそのような写真がいつでも見れる状況にあるというのは児童にとっては嫌でしょうし、
しかも、児ポ法での「単純所持」の禁止は、麻薬や銃器の単純所持の禁止とは全く別次元の、極めて危険な法案であると言えます。ということですが、まず麻薬や銃器の単純所持規制と児童ポルノの単純所持規制は罰する理由が違いますから両者の差異を指摘したって何の意味ありません。そして、法というのは結局最終的には裁判官の介入があって初めて法足り得るのであって、法律だけで法足り得ないからと言って即「これは法ではない」というのはおかしいでしょう。それが麻薬や銃器であるかないかが、人それぞれの価値観で判断が別れることはありません。と言いますが、僕は十分判断が分かれると思いますし、犯罪が成立してしまうのは裁判所の人為的判断を得た後であり、それ以前は「容疑者」なのですから、例え警察がそういう無茶なことをやっても裁判所で否定されるでしょう(*4)。さらに言えば、「故意でない犯罪は別記がない限り罰せられない」のです。その問題点のひとつに「適用範囲が甚 だ不明確である」ことがあります。
まず第一に「児童ポルノとは何か？」という定義が不明確です。
現行法では、児童ポ ルノとは18歳未満の「性欲を興奮させ又は刺激する」写真・ビデオ・その他としてい ます。
この「性欲を興奮させる」とはいったいどういうことで、誰が決定するのでしょ うか？
それが麻薬や銃器であるかないかが、人それぞれの価値観で判断が別れることはありません。
しかし「児童ポルノ」に関しては判断が一定ではなく、ある意味ではどこまでも解釈が拡大可能な文案であると言えます。
第二に「何が所持なのか？」ということも不明確です。
電子データとしてインターネッ ト上で送信される画像に関しても法適用の対象にされますが、これに単純所持禁止を 厳密に適用すれば、例えば「たまたまジャンプした先のURLに児童ポルノ画像が貼ってあり、それがブラウザのキャッシュに記録された」「自分が管理するサーバーに作っ た掲示板に、誰かが児童ポルノ画像を貼り付けた」「児童ポルノ画像つきスパムメー ルを受信した」といった情況だけで犯罪が成立してしまいます。
それじゃ次に「ミーガン法」。これについては「何を馬鹿な事を言っているんだ？」という言葉を捧げときます。
ミーガン法については知らない人も居ると思うので解説を引用しておきます。
2回目に有罪となった性犯罪者を登録、釈放後10年間は定期的に監視、地域社会に戻るときは州政府が警察に警告するよう義務づけた、1995年7月に成立した州法案の俗称。1996年5月に連邦法(Chapter 908, Stats. of 1996)に昇格という内容の法律です。
この法律のおかしい所は、まず、そもそも性犯罪を起こす可能性の高い囚人を安易に釈放するのが間違いであって、きちんと治療しないで外に出すシステムをまず改善すべきなのに、それをしないという所です。性犯罪者は病気であるというのは多くの司法関係者が指摘しているところです、しかし治療は殆ど行われません。日本では「責任をとれない精神病の犯罪者」と「責任をとれる正常者」の二通りにしか犯罪者は分けられません。そのため、そうそう責任をとらなくていい様なケースを出す訳はいきませんから、殆どの犯罪者は「責任をとれる正常者」となり、そして懲罰＆正常者に対する教育という面だけが重視されている刑務所に入れられてしまうのです。
しかし「責任がとれない」というのは余程の重症で無い限り認められない訳で、その結果多くの軽い病気の人が「正常者」として刑務所に送られるわけですが、しかし幾ら軽いといっても病気なんですから懲罰やら教育やらでそれが直る訳もなく、その結果殆どの病気の人がそのまま社会に出てしまうのです。
これを解決する為にはやはり「責任をとれるorとれない」と「精神病があるor無い」を分けて考える必要があると思います。つまり「責任を取れるけど精神病である犯罪者」というカテゴリーを作るべきなのです(*5)。それをやらないで「万策尽きてしまったからミーガン法」というのはどうしたっておかしいでしょう。
次に、ミーガン法というのは殆どザル法です。何故なら別に自分の家の近所で犯罪を犯す必要は無いんですから。今回はたまたま近所で犯罪が起きましたが、ではミーガン法が施行されていればこの事件の容疑者は犯行を行わなかったか？とんでもない、この種の犯罪というのは見つかれば重罪になるのは殆ど確定的なんですね、それにも関わらずやるのですから犯人は手間暇を惜しみません(*6)。きっと遠くに行って犯罪を行うだけでしょう。性犯罪者は病気ではありますが馬鹿ではないのです。
最後に、ミーガン法の意味自体良く分かりません。性犯罪の前科がある人が近くに居るのが分かって一体どうすると言うのでしょう？「子供に気を付けるよう言う」？だったら性犯罪者の前科者が近くにいなければ気を付けなくても良いのですか？ミーガン法の根底にあるもの。それは大阪で児童殺傷事件が起こった時に青森の学校で「今日は大阪で怖い事件があったから気を付けましょう」と言ったという様な与太話と同じ頭の悪さなのです。それもかなりたちの悪い……
まとめ
↑何かここ風のまとめが出来ると頭が良くなったかのような錯覚がするね。実際は殆ど他サイトの受け売りなのに（わ
参考リンク：
などでミーガン法と、それを日本に導入しようとしている勢力を批判している
http://michinao.jp/mt/2004/07/megans_law.html
http://blog.goo.ne.jp/somnium_diurnum/e/f279439f69add6f238a43b66b4fe6502
http://blogs.dion.ne.jp/krusty/archives/407622.html
http://blog.goo.ne.jp/messneko/e/02f9697e1e2d113016fd56da20e9f445
http://nonbe.himagine.com/modules/news/article.php?storyid=55
http://slap0077.exblog.jp/1261202
http://plaza.rakuten.co.jp/sigdagun/diary/200412150000/
http://inthesky.jugem.cc/?eid=42
http://blog.goo.ne.jp/oasismania01/e/5f3743208260cd12878c793d4cb024e7
http://sunrise-sunset.seesaa.net/article/1435753.html
http://blogs.dion.ne.jp/nakashima_umanohone/archives/328009.html
http://apricotblog.jugem.jp/?eid=123
http://blog.livedoor.jp/koller202/archives/9533581.html
http://hoshiyo.cocolog-nifty.com/hitomebore/2004/08/post_41.html
http://blog.livedoor.jp/messneko/archives/6138087.html
http://d.hatena.ne.jp/h2k/20040728#1090993024
http://www.doblog.com/weblog/myblog/6362/367646#367646
http://johnnysurg.exblog.jp/703182
http://showa.jugem.cc/?day=20040705
http://blog.livedoor.jp/miyazzy/archives/3813362.html
http://moonburnt.exblog.jp/211647