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2004-07-31


[2ch]人の掲示板でしか言えないのに何が「犯罪者への制裁」だか

ネット人権侵害:法務省が削除要請可能に 接続業者指針案毎日新聞

 インターネット上に少年事件の写真や実名など人権侵害情報が掲載される問題で、約700のインターネット接続業者(プロバイダー)の業界団体や有識者でつくる「プロバイダー責任制限法ガイドライン等検討協議会」(中尾哲雄会長)は法務省の要請を受け、新しい運用指針(ガイドライン)案をまとめた。法務省が被害者本人に代わって、接続元であるプロバイダー側に削除を求めることができるとルール化され、最終的にはプロバイダー側が判断するが、要請があれば大半は削除に応じるとみられる。国の判断が持つ重みが増すことになり、論議を呼びそうだ。
だそうで、実質2ちゃんねる用のガイドラインみたいな物ですかね。

しかしこの問題について触れるとき何か「法務省は加害少年の事ばかり考えている!」とか言っている人が多いのには驚いた、しかもそういう人に限って身元は匿名にしていたりしてるんだよね。

「犯罪加害者の実名報道が是か非か」という問題以前に、「自分は身元を晒さずにその掲示板の管理人に責任を押しつける」事の問題があるでしょう。別に今回のガイドラインは「実名を晒した人に抗議をする」方法を決めたガイドラインじゃないんですね、「実名を匿名掲示板で晒してトンズラする例が多いから、それをどうするか」についてのガイドラインなんです。さらに良く考えてみれば別にひろゆき氏とかは好き好んで加害者の実名を掲示板に残している訳じゃないんですね、ただ公式の手順に則って削除申請がされないから削除していないだけで、別に公式の手順に則って削除申請がされればさっさと削除しちゃうんです。だからその手順の摺り合わせがガイドラインな訳で、別に法務省の態度は何も変わってないんですね。

別に僕は「犯罪加害者の実名晒しは許せない!」という事はここでは言っていません。僕が言っているのは「何かしら法律違反覚悟で本気で主張したいことがあるなら、自分のサイトで自分の実名晒してやれ」という事なんです。もしあなたが本気で「犯罪加害者の実名は例え少年でも晒すべきだ!」と思い、それを実行するなら、2ちゃんねるとかの他人のサイトで匿名でやるな。自分の実名を公表したサイトで、自分が編集権を保持した状態のページで、行いなさい。それが出来ないならあなたは単なる愉快犯であり、何の主張も認めることは出来なくなるでしょう。

しかし本当になんでこの記事に関連して「犯罪加害者の実名報道が是か非か」という事を語るかなぁ?もしかしてそういう人達は実は人工無能で、只記事の中のキーワードに反応してテンプレを返してるだけなのかもね(w http://www.mainichi-msn.co.jp/it/network/news/20040729org00m300145000c.html

[旧NWatch]有限会社ひきもどしはある引きこもりをとぼしめた?

という話題(どんな話題だ)。

ジョークサイト「有限会社ひきもどし」にスラッシュドットで深刻議論 より

■ ジョークサイト「有限会社ひきもどし」にスラッシュドットで深刻議論

 引きこもりの人を社会に“ひきもどす”、がうたい文句の「有限会社ひきもどし」のWebサイトが、スラッシュドットのトピックで取り上げられている。「有限会社ひきもどし」は、同名の映画で登場する架空の会社。その公式サイトという設定でこのコンテンツは製作されている。紛らわしいことに、見た目の完成度が非常に高いのに、架空の会社だとの説明が当初は無かった。また、微妙な問題を少々ちゃかす調子も見てとれる。そのためか、スラッシュドットのコメントではWebサイトへの批判が続出。内容ばかりでなく、「会社でもないのに有限会社を名乗るのは法に触れる」「コーディングが稚拙で痛い」といった指摘まで飛び出した。スラッシュドットでのコメント数はすでに200を越えている。映画を広く認知させる、という目的は果たしたわけだけれど、シャレにはならなかった?
だそうで。

何か本当に/.jの方では喧々諤々(※この用法は間違ってるそうです)の議論を行ってますねぇ、しかしこのページをネタとして認めている人達はどうやらこんなに批判が多いことについて何か純粋に困惑して居るみたいです。

まぁこういうような「ネタをマジに受け取られたことによる災難」というのはもちろん昔からあるもので、それこそ遡ったら宇宙戦争までいってしまうのですが、しかしそんな昔から何度と無く起きたのに未だに繰り返されるんですなぁ。

しかしこういう反応を一々気にしていたら何も笑いとかを取ったり出来ないのも事実で、人がどんなことで激しく怒るのか何てのはどんなに科学的な手法を使ったとしても分かるわけがないんです。自虐ネタをやるにしてもその自虐する部分が完全にその人独自の物でない限り、同じようにその部分を持っている人から反発が来るかも知れないのです。(そして「完全に独自の物」なんて言葉にするのは不可能である)

でもその一方でどんなに突拍子の無いことであっても、それについて怒っている人は深刻なわけで、例えそれが他人から見てどんなにくだらないことであっても、もしかしたらその人には命と同じぐらい重要なことかも知れないのも事実なんだよね。

この前のKの国の方式にしたって、眞鍋かをりの棄権発言にしたって同じ事。ある人が本気で怒り悲しむかもしれないという事を考えては何もできないけれど、何かすればある人が本気で怒り悲しむかもしれない、どうしようもないジレンマだなぁ。

結局僕らがかろうじて出来ることと言えば、そのような行き違いが起きてしまった後、その表現を行った人と表現によって本気で怒り悲しんだ人の間で、事後的にコミュニケーションを取ること位なのだろうか?

しかしその事後的なコミュニケーションすら取らない人も多いんだよね、表現をした人から見れば何で自分のやったことがこんなに怒られるのか分からないから態度を硬化させるだろうし、怒っている人の方もただでさえ傷ついたのにさらにその傷つけた張本人と話すなんてとんでも無いと思っている。結局どちらもただ非難だけしあって終わってしまう。そんな例を何度見たことか(今回のこともそんな例にならないことを祈るけどね)。

結局この問題は解決法なんて無いのかも知れない。ただ言えるのは、ただ「ネタを分からないなんて低脳だね」とかみたいな2ちゃんねる風の煽りと、「こんな酷い表現して良いと思って居るんですか!」とかみたいな罵倒は何の意味もないという事かな。

ちなみにこの文のタイトルにある「とぼしめる」は某ことのはのコメント欄で出た貶めるの誤用です。当然この言葉を使うことはその誤用をした人を本気で怒らせるかも知れません。でも僕は別にその人をわざと怒らせようとしてるわけではないのにこの言葉を「面白そう」という理由から使います。その結果何かが起こってもそれは仕方のないこと、表現ってきっとそういう事なのでしょう。 http://slashdot.jp/article.pl?sid=04/07/28/1625206