痴漢、未成年の喫煙に電車内の携帯電話。公共の場のモラルは改善されるのでしょうか。東京都が、公共の場で迷惑行為に居合わせたほかの利用客の責任を明確にすることを盛り込んだ新たな条例の導入を目指していることが明らかになりました。ということだそうなのですが、しかし例え条例で通報義務が書かれたとしても僕は通報しないでしょう。何故なら、僕は上記に書かれた様な迷惑行為の殆どを別に迷惑だと思わないからです。別にそれを「迷惑行為」として都が規制しようとするのは勝手ですが、しかし別にそれを迷惑だと思わない僕が通報する理由は何処にもありません。警視庁のまとめによりますと、去年１年間に東京都内の電車で発生した痴漢は ２２０１件。過去最悪を記録しました。このため、東京都は、公共の場のモラルが低下しているとして、来月にも鉄道事業者や法律専門家などで構成する「協議会」を発足させることになりました。
協議会では、「何が迷惑行為にあたるのか」を定めた上で、迷惑行為の現場に居合わせた人に「駅員に通報する義務」を負わせるなど、ほかの利用客の責任を明確にすることを盛り込んだ全国でも例のない新たな条例の導入を目指すということです。協議会は来月にも発足、半年ほどで新条例の案をまとめる方針です。（8日 11:01）
この文章は僕が今日の七時間目ぐらいに弁論大会で読んだ原稿です。当然弁論大会ですからそんなに文を長く出来なかったので説明不足の所は多々ありますが、しかしその分内容は凝縮されてると思います。自分の心に僅かに残っている白い部分をかき集めましたから（わ
……という前置きを書いている内に何かとんでもないニュースが入ってきました。。。
小学校に刃物男、職員３人刺され１人死亡 大阪・寝屋川＠朝日新聞
１４日午後３時１０分ごろ、大阪府寝屋川市初町の市立中央小学校（坂根博一校長）から、「人が脇腹を刺された」と１１９番通報があった。寝屋川署と枚方寝屋川消防組合によると、刃物を持った若い男が職員室に侵入し、教職員３人の背中などを刺した。３人はいずれも病院に運ばれたが、５２歳の男性教諭が死亡。５７歳の女性教諭が重体、４５歳の女性管理栄養士がけがをしている。駆けつけた寝屋川署員が１７歳の少年を取り押さえ、殺人未遂容疑で現行犯逮捕し、殺人容疑に切り替えて調べている。えーと、文を読んで貰うと分かると思いますが、何かこの文とニュースはリンクしてる気がしてなりません。というか午後３時１０分って僕が話してる時間ですね……
でも、よく考えたら僕の書いた文は、この様なニュースを目にしたとき何をすべきかということを書いたんだから、むしろ発表すべき時は今なのかもしれません。というわけであえてこの様なニュースが流れた今、僕はこの文を発表します。
しかしなぁ……何でこうリンクするかなぁ。。。
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少し前は「キレる17歳」なんて言葉がマスコミの中でたくさん使われていました。しかし近頃はもう17歳ぐらいが切れて何かしても誰も驚かないでしょう。「少年の犯罪は最近増えている」というのは、もはや一般的には常識となりました。
しかし実は調べてみると、少年犯罪は別に増えていないのです。が、マスコミは統計のトリックを使い、あたかも最近は少年の犯罪が増えているかの様に誇張しているのです(少年犯罪は凶悪化しているかなど参照">*1)。他にも、例えばこの前の奈良女子誘拐殺人事件の時も、性犯罪者の再犯率が50%弱という報道がありましたが、それも実は誇張された情報なのです(ミーガン法のまとめ @ macska dot orgなど参照">*2)。報道は常に事実のみを伝えているという訳では無いのです。
所で、この様なマスコミが流す誇張は実はある一定方向に流れているという事に皆さんお気づきでしょうか？それはつまり「犯罪何て他人事にしたい。自分達とは関わりの無い事にしたい」という方向です。そしてマスコミがその様に動くという事は、つまり社会全体の思いがそのように動いているという事なのです。
そりゃ誰だって残酷な事件を起こした加害者の思いや、事件を起こした訳なんて想像したくないでしょう。だから「加害者の気持ちについて考えてみよう」という言論は嫌われ、「あんな加害者の事なんか考える必要は無い！今すぐ加害者を死刑に！」という主張が好まれるのは当然の事でしょう。そしてその様な主張を補強する為に、報道は加害者の異常性を殊更取り上げ、加害者を共に生きる「人間」という存在から、排除すべき「怪物、異物」へと変化させていくのです。
でもちょっと待って下さい。本当に加害者は「怪物」だから人を殺したのでしょうか？「『人間』は人を殺さない。『怪物』だから人を殺すのだ。」と人は信じたがります。しかしそれが間違いである事はナチス・ドイツのホロコ―ストや、旧日本軍の南京大虐殺など等の歴史が証明しています。それ故僕はこう思うのです。「人を殺す加害者は、『怪物』だから人を殺すんじゃなくて、もしかしたら『人間』であるからこそ人を殺すのではないか？」と。
しかしそれを考えるのはとても怖い事です。何故ならそれは「もしかしたら、『人間』である私も人を殺す事があるのかもしれない」という事を考えるのと同じ意味だからです。でもそれを考えずに、次なる事件の予防策なんか考える事は出来ないでしょう。
もちろんこれは加害者の事だけ考えて被害者の事は考えるな、という事ではありません。只僕は思うのです、実際、加害者でも被害者でも無い「僕」は「あいつを殺したかった」という様な加害者の気持ちに完全に同化するということは出来ないです。しかしまた「家族を殺したあいつが憎い！」という様な気持ちに完全に同化する事も、不可能でしょう。ですが、完全に加害者・被害者の気持ちに同化することは不可能でも、そうなるに至った気持ちを考えてみよう、と努力する事は、もしかしたら可能なのでは無いでしょうか？僕は、加害者でも被害者でもないこの「僕」の義務は、どちらか片方の気持ちに完全に同化し、そしてもう片方を排除するのではなく、被害者・加害者両方の気持ちを考えてみるとする事だと思います。そして僕は、その様な行為こそが―被害者にとっても、そして加害者にとっても―悲しい事件を前にした時私達に出来る、唯一の処方箋だと、思えて仕方ないのです。
*1: 少年犯罪は凶悪化しているかなど参照