投げ銭というのはあくまで「商取引」ではなく「寄付」なのですから、それに対し投げ銭された人は何の見返りもする必要はありません!投げ銭され、そしてその後「せめて何に使ったぐらい教えろ」と言われても、そんな要求に応じる必要は全くありませんし、もし応じたのならば、あなたは「返答する分の労働力」と「投げ銭分の自分のお金を何に使ったかという個人情報」(これらは市場では立派に商品として価値を持っています)を騙し取られることになるのです!
この記事ではそのような詐欺が一体どのような手順で行われるのか実際の体験を交えて説明しようと思います。
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この前僕は何かいきなり手紙で15000円分の小切手みたいなものが送られてきました。僕はこれを何か送りつけ商法の一つかなと思ったので、とりあえず届いた商品を14日間放置(黙って未使用のまま保管)しておけば後は何の義務も無くなるのでそうしました(一応言っておきますが、手紙には何も契約書らしきものは入ってなかったし、もし入ってたとしても、14日間放置したのだから僕に何の法律上の責任・義務はありません)。
すると一昨日ぐらいにこんなメールが届きました。
差出人: 澄良木 修司
日付: 2005/12/05 2:28
件名: 金銭絡みのこと (要返答)
【1】
私は**くんの誕生日に15,000円の郵便為替を送りました。
その後、**くんから音信がありません。
お礼を言えとは言いません。
最低でも無事に届いたかどうかくらいは報告してください。
ついでに言うと、何に使ったか教えてください。
おカネのことなんだから、しっかりと。
やっぱり送りつけ商法だったみたいです。
繰り返し言いますが、その手紙には何の契約書らしきものは入ってなかったし、もし入っていたとしても、14日間放置(黙って未使用のまま保管)したのですから何の責任・義務は有りません。しかしもし僕がそのような事実を知らなかったら、何か返答をしなければならないと思ってしまい、返信する分の労働力と、自分の15,000円分のお金をどう使ったかに対する個人情報を騙し取られるところでした。これは立派な詐欺です。澄良木修司とやらは犯罪行為を働いている詐欺師なのです。
しかし詐欺師ってのは本当に面の皮が厚くないとやってられないようで、僕が当然返答しないでいると(当たり前です。返答する義務が無いんだから)、こんどは自らのサイト上で次の様な文章を書いて僕を脅迫してきました。
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<<一昨日、誕生日プレゼントについて、お礼を言えとは言わないが無事に到着したかくらい報告しろとメールを送った。
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要するにネット上での圧力を利用して僕の労働力と個人情報を脅し取ろうとしてるのでしょう。まぁ、幸い賢明なネット利用者は当然こんな幼稚な手口はすぐに見破ってしまうので、もちろんこんな犯罪に荷担する人は居なかった様ですが、しかしもし居たとしたら、この人はその荷担してくれる頭は悪いけど正義感はある人(*1)まで騙すことになるのであって、本当にこいつのやり口には吐き気がします。
もちろんもしこのやり取りが資本関係無しで手紙だけで行われていたとしたら、僕は甚だ不愉快だけれど、別にそれほど犯罪的なものにはなりません。何故なら資本関係も無しに労働力だったり個人情報の収奪は出来ないというのは、万人が知っていることですし、そうである以上彼のメールはあくまで「お願い」であることが明白だからです。
しかし問題は、この詐欺が「投げ銭」を悪用して居る為に、彼の放つ発言に偽の拘束力が出現してしまうということなのです。つまり資本が介入することによって、出入り・抜け駆け自由な個人同士のコミュニケーションが、市場間取引のように拘束力を持つものになってしまうと錯覚してしまうのです。しかしもちろんそのようなことは無い訳で、幾ら自由なコミュニケーションの一方から資本が大量に入ってきたとしても、もう一方がそれを認めない限りは、そこに拘束力を持つ市場間取引は生じないのです。何故ならそうでないと本当に資本主義の原則だけが世界を支配することになり、結果資本に還元されないものが切り捨てられてしまうからです。
しかし彼の行為はそのような社会システムを壊そうとするものです。彼が望む世界、それは資本のみが世界を支配し、そしてそれによって自らの欲求を満たそうとするもので、大変おぞましいものであると言わざるを得ません。
しかし私達は決してこのような力に屈してはならないのです。その為にも、もしこのような事があっても皆さんは絶対詐欺師の言いなりにはならないでください。それはあなたの為でもありますし詐欺師の言いなりにならないことによって詐欺師を弱体化させ、そのような社会システムを壊そうとする輩の力を削ぐという意味で、みんなの為でもあるのです。
*1: 僕はそういう人結構好きだ